デカパン
B家では、年始は新しいパンツを履くことを定めとしている。
別にボロパンツでもよいのだが、年が改まるということで、心機一転の気持ちの表れである。
調達するのは年末である。今回もまた、暮れにいそいそと商店街の洋品店(言い方が古っ!)に出かけた。
都会のお洒落なデパートではないが、パンツの品揃えは豊富である。ちゃんとMサイズからLLサイズまであるのだから。
そう言えば、パンツのSサイズってあるのだろうか。見たことがないように思うのだが。
それはともかくパンツである。ワタシはMサイズなので、まずはMサイズのてんこ盛り区画を見る。てんこ盛り=お安い、である。様々なパンツが山のようにぶん投げられている。
だが、すぐにダメだこりゃと諦めた。
リボンとか花とか柄物しかない。パンツは無地に限る。余計な装飾はいらない。
仕方なく少しお高いランクを見ると、2枚880円のパンツを見つけた。1枚440円か、予算的には少し高いがやむを得ない。無地だし、よく伸びるし、合格だ。これと、大盤振る舞いで680円のを1枚、計3枚のお買い上げとなった。
だが、レジで少し凹んだ。パンツ3枚で税込1500円以上飛んだ。3年は履かねばならない。ちなみに3年の根拠はどこにもない。
買ったパンツは、まず洗う。コロナ禍なので、念のための措置である。
自分で洗おうと思ってたのだが、早くに起きたB1が、他の洗濯物と一緒に洗ってくれた(多謝)。そのB1がしみじみと言った。
「パンツがデカい!」
生地が厚くて大きくて、まさに年寄りが履くようなパンツで、遂にこんなのを…と感動したらしい。
確かにデカパンではあるが。
生地が厚い=丈夫、デカい=お尻がはみ出さない、なのだ。
パンツに求めるのは機能性だ。チャラいレースのちっさいパンツなど何の役に立つというのか。
ケツがはみ出るだけではないか。
特に最近は、膨らんだお腹に引っ張り上げられてハミケツが常態化し、悩みの種になっているのだ。想像してみよ、ケツに食い込まぬよう、たびたびパンツをずり下ろさねばならぬ煩わしさを。
デカパン上等!
ハミケツするようなパンツを履くと、お尻の形がよけいに崩れる。
そう、これからはデカパンの時代だ。
デカパン万歳。
⭐︎B2