Bの響宴

リタイヤを迎えた親のための認知症予防プログラム - 「ひとまず家族でブログやります。」(B型一家ほぼ全員参加型企画)

レアリア

 

レアリアI (新潮文庫nex)

レアリアI (新潮文庫nex)

 

 間もなく第二巻が発売されようというときに、ようやく第一巻を読了。

著者は、デビュー作の『彩雲国物語』がそのまま出世作になった雪乃紗衣さんである。

何を隠そう自分も彩雲国物語』のファンである。なので、新シリーズ開始の報を聞いたときはすぐにでも読みたいと思ったが、いやいやちょっと待て、ここは様子を見て……とかなんとか考えているうちに現在に至った。

まあ、ちょうどよかったかも。すぐに続きが読みたくなる質なので、もっと前にお買い求めしていたら、第二巻発売まで苛々しながら待つことになったのではないかと。何しろ間が1年空いたからねえ・・・。

で、その間、あちらこちらで本作のレビューをちらちら読んでいたわけだが、これまたなかなか厳しい評が多いことで(^^;)。むう、読むのやめよっかなとか思っちゃうくらい。総括すると、「読みにくい」「時系列が変」「世界観がなっとらん」「キャラが立ってない」「信じがたいほど稚拙な文体」……って感じかな。

これじゃ、読む前から不安になるわな(笑)。でも、読まなきゃわからんってことで、おそるおそる(謎)読んだ。

結果。

自分の感想としては、「面白いよ、悪くないよ、これ」である。

時代がいきなり飛ぶのでわかりづらいとか読みにくいとか、自分的には全然なかったなあ。章の合間に過去編が挿入されるなんてよくあるし、世界観がなっとらんっていうのも、確かに不十分なところはあるかも知れないが、別に気にならない。というか、この第一巻って他の人も言ってるように導入部に過ぎない。あれこれ詰め込みすぎたという評もあったけど、むしろ、まあこんなもんじゃないの?って感じだけどな。

大河ファンタジーと銘打ってるくらいだから、まだまだ長く続くんでしょ、これ。第一巻だけじゃ判断はできないなあ。本作よりもわかりづらくて読みにくい作品っていくらでもあるし、昨今のアニメなんて第一話見ただけじゃさっぱり内容わからないし(違)。

文体的なところで言えば、まあ確かに王道はいってないわな(笑)。

同じ場の中で視点がくるくる変わるなんて、文章教室の先生からしたら「なっとらん!」って呆れられるでしょ。あと、作品世界にそぐわない言葉がぼんぼん出てくるしね、「海鮮丼」とか「素粒子」とか(笑)。読んでて「あれあれ~」って思うわ、そりゃ。

けど、この作者様のウリでもあるんだよね、そこ。とんでも言葉を使うことで爆笑を誘うっていうのかなー。正統派からすればそれこそ「とんでもない!」って怒り出しそうだけど(笑)、それが許容できないならこの作者様の作品を読むのはやめたほうがいいと思う。

個人的には先を読みたいと思ったけれど、むろん、気になったところもある。キャラ立てが彩雲国物語』のキャラと被ってるな、とか。人物模様が『彩雲国物語』と被ってるな、とか。アイデアの部分で、むむ、これ○○の作品にもあったような、とか。まあ、アイデアを参考にするのは別に問題ないのでいいのだが、違う作品を連想させるのは、ちょっとねえ・・・という感じである。

例えば、オレンディア。彩雲国物語』の英姫が頭にチラつく。ギィは燕青だし(笑)。宝箱のくだりは、悠舜を思い出すしさ。まあ、でもどのキャラもまだご紹介程度だから、これからどんどん変わっていくのだろうか。気になったのは、一番キャラが立ってないといけない主人公のミレディアが、一番輪郭が曖昧だということ。『彩雲国物語』の秀麗がすごくはっきりした強いキャラだったので、よけいそう思うのかも知れないが・・・。

さて、肝心の物語の中身であるが、多いねえ、伏線(笑)。これも評が厳しくなる原因かなあー。風呂敷広げまくってる感あり。ちゃんと回収できるといいんだけど。彩雲国物語』のように、残ったものがないように。

個人的な注目ポイントは、以下。

①ミレディアの出自。

大きなポイントでしょう、これ。レアリア(大地女神)の伝説と絡んでるでしょ。彼女はどこからきたのか。どういう力を秘めているのか(今んところダメダメ小魔女だけど、それで最後までいかんでしょー)。

②アキの正体

第一皇子エリファズにミスリードしようとしているニオイがプンプンだけど、さて、どうでしょねー。しかも、十三年前にアリルの前の「道化師(ラ・ピエロット)」も逃亡しているという。エリファズと同一人物なのか。では、エリファズは道化師なのか。道化師の説明で、今は「生まれてはいけない皇子」や「邪魔な皇族」がその役割を担わされてるとあったもんね。でも、イコール「アキ」か??? さてさて。

③オレンディア、ユーディアス、アリョージャの過去

これは物語の根幹のひとつでしょ。三人の過去に何があったのか。今んとこ二人がオレンディアにご執心ということだけはわかっておりますが(笑)。

④ユーディアスは誰

現皇帝ですが、なんかいろいろ秘密がありそうじゃ。彼も昔、道化師だった? あるいは、アリョージャが道化師だった?

⑤第十三皇子アイゼンの逃亡劇

これはまだ詳細が全然わからない。ミレディアが助けたということだけはわかっているが、このアイゼンがまたキーパーソンの一人になるんじゃないか?

⑥アリルの秘密

これは第二巻でもう少しわかるかなあ。五年前のアイゼン逃亡のほう助でミレディアが王都で幽閉されてたとき、なんかあったんだろうなあーとは思うんだが・・・。

ラムザ皇子とアリルの関係

ひょっとして双子とか?(笑)しかし、どちらも黒い髪なんでしょ?そしてアリョージャも漆黒の髪・・・。

⑧皇弟カイ

自分の中では、すごいラスボス視してるんだが。怪しい、この人!

⑨十三年前

第一皇子エリファズの逐電、当時の道化師の逃亡、ミレディアが拾われたとき。当時何があったのか?

⑩ぽんこつレナート。

レナートおおおおお! とりあえず叫んでおきます(謎)。

 

他にも細かいポイントはあるんだが、まあ、こんなとこで。

余談だが、「道化師」のふりがな「ラ・ピエロット」。ピエロットって女性名詞だから「ラ」っていう定冠詞なんだよね。という、謎のフリをしておこう。

 

とりあえず、自分はアリルとぽんこつレナートが一押しです(謎)。

第二巻はすぐに買うことになりそうだな。

 

そして余談。第三巻までまた1年空くなら、彩雲国物語』の外伝出ないかなー。

回収してない伏線話とかいっぱいありそう。

個人的には藍家の三つ子の話、特に龍蓮は二人の謎な話を詳しく知りたいのだがー。

 

☆Author:B2

 

 

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