キャンディ・キャンディ Final Story
特に探していたわけでもないのに、ふと目について、気づいたら夢中になって追いかけていた…なんてことがある。
『キャンディ・キャンディ』。
今の20代や30代で、この作品を知っている者がどれだけいるだろうか。
自分が小学生の頃に『なかよし』という漫画雑誌で連載されていた。
アニメ化もされ、幅広い人気を誇っていた。ピンクレディーを知らぬ者がないように、キャンディを知らぬ者もなし(多分)、それほどの名作である。
自分もコミックス片手に、放課後、キャンディごっこをしてたものだ(何かそんな記憶がある)。子供というのは、ひらひらのドレスやお城みたいなお屋敷、見目麗しいキャラが目白押しの世界に簡単に入り込む。憧れたなあー、イライザのドレスー(謎)。
コミックスは全9巻。全巻持っていたような気もするが(少なくとも半分以上は所持していたと思う)、大人の階段を昇るうちに(謎)興味も薄れ、すべて処分してしまった。惜しいことをしたものだ。
今、キャンディ・キャンディは中古本でしか手に入らない。
原作者と作画者との間で著作権にまつわる争いが起き、裁判にて一応の決着を見ているが、袂は分たれたまま。復刻版どころか、漫画作品、アニメ作品としての『キャンディ・キャンディ』が再出版・再放映・DVD化されることは(両者が改めて手を握りあう気にならない限り)ないだろう。おかげで、中古品には結構なお値段がついている。取っておけば相当なプレミアがついていたものを。(まあ、売らないと思うけど)
そんなわけで、キャンディに再び見える日は二度と来ないと思っていたのだが(そして忘れていたのだが)、何の因果か、キャンディのアフターストーリーが出版されていたことを知った。原作者が小説として出版していたのだ。8年も前にな。
何でも30代になったキャンディの話ということで、あるかなあるかなと図書館で探したら、あった! 借りた! 一気読みした!
確か、漫画のラストは(アニメ版は覚えてない。ってか、最終回見たっけかなあ)ポニーの丘で、あの丘の上の王子様と再会する、そして王子様はアルバートさんだったってことで終わったような気がするんだけど(うろ覚え)、その後二人はどうなったんだろう、テリィはどうしたんだろう…と微妙に後引く感じだった。まあ、少女漫画だからね、あれで良かったとは思うけど。
で、アフターストーリー。大人になったキャンディの現在は!?
……と読み始めたのだが。
上巻は、漫画版のストーリーを小説に置き換えて進んでいるだけ。
いや、プロローグや合間に、大人キャンディが回想している場面が入るんだけど、全体的にはお馴染みのお話が展開されていく。
じれったくなったが、でも久々だったので、なかなか楽しかった。
エルロイ大おば様やシスター・グレーは相変わらず怖かったよ(謎)。
あと、アンソニーとキャンディのラブラブ場面は、漫画よりもロマンチックに描かれていた。さすが小説。でも、アンソニーは……(涙)。
まあ、そんなこんなで下巻に突入。
そしたらいきなり巻きが早くなって、色んな場面が手紙という形で回想されていく。
ってか、後半はほぼ手紙、手紙、また手紙(笑)。
いや、いいんだけどさー。もっとこう、ありのままの大人キャンディの暮らしぶりや現況を知りたかったんだけど、そこは微妙にぼかしている。
どうやら、今は「あの人」と一緒みたいなんだけど、「あの人」が誰なのかは最後まで明確にされないまま。結婚しているのかどうかさえわからない。何となく結婚してないのかな?とか思う。
後書きで、作者様は、「あの人」のことは最初から曖昧にしようと決めていた、「あの人」が誰かを描くには長い物語が必要で、でも自分がそれを書くことはもうない、謎は謎のまま、想像の世界を楽しんでもらえたら……と書いている。
いやー、そんなあ!と思ってしまうよ、読者としては。( ̄▽ ̄;)
レビューでも、皆さん、「あの人」の話題で盛り上がっていた。
Aなのか、Tなのか。
自分的には、ある部分からAだと思ったけど、Tだと思ってる人も結構いて、二分されてる感じ(笑)。その根拠を読むと、なるほどと思うところもあり、もう一度最初から(下巻のな)読み直してみようかと…。
あー、でも、こうなってくると漫画も読みたくなってきたなあ。
高いけど中古品に手を出すか……。
子供の頃に夢中になったものというのは、大人になってからもずっと後を引く、影響を与え続けるものなのだと思った次第。
それにしても、Aなのか、Tなのか。
うー、気になる(笑)。
☆B2