ジョーカー・ゲーム
まずは東日本大震災から7年ということで、黙祷。
ここに多くは書かない。
生きてる限り、一歩、また一歩。
☆
一昨年だったかその前だったか。
次期のアニメは何があるかなとネットで検索していたときに、あるタイトルが目についた。
『ジョーカー・ゲーム』。
概要を読むと、どうもスパイものらしい。
興味を引かれたが、いかんせん、絵柄が好みじゃなかった。で、結局アニメは見なかった。でもそのときに、原作があると知り、そっちはいつか読んでみたい……かな、とちょぴっと思った。
あれから幾年月。
ずっと忘れていたが、新聞か何かでこのタイトルを再び目にし、ようやっと図書館で借りてきた。
買わずに図書館で借りるというのは良い選択である。昨今の書籍はとにかく高い。文庫本ですら、ちょっと分厚いものになると1000円近くする。ずっと手もとに置いておきたいお気に入り作家のお気に入り作品ならともかく、一度読んだらそれで満足するだろう類いのものや、お初の作家のものにわざわざお金を出して購入したりはしないよ、私は。置くスペースだって限られている。というか、今でも既にぎりぎりである。一冊買うごとに、一冊ブックオフに持ってくか誰かに押しつけるかである。
B1はポイポイと買うが、一度読んだらそれっきりである。実にもったいない。だが、自分とこよりは置くスペースもあるし、何より帰省したときにあれこれ読めるので、敢えて止めない。
本題。
タイトルのジョーカー・ゲームを含め、一話完結の短編が5本。'D機関'と称されるスパイ養成所を軸に語られるミステリー。吉川英治文学新人賞を取ったらしい。
全体的にそれほど長くないので、一日あればするりと読める。
読後感としては、なかなかに面白かった。
スパイものなんてあまり読まないせいかも知れない。ベースに旧日本軍の陸軍中野学校があるみたいだけど、その辺りはよくわからないし、特に興味もない。
しかし、ミステリーにしてはちょっと物足りない印象もあった。ああここ伏線ねとすぐわかるところが多かったせいかな。
でも、設定と登場人物の心理も含めた描写が良かったので、つるつると物語の世界に引き込まれてしまった。
続編もあるらしいので、また読みたいと思う。
☆B2