Bの響宴

リタイヤを迎えた親のための認知症予防プログラム - 「ひとまず家族でブログやります。」(B型一家ほぼ全員参加型企画)

映画 「彼は秘密の女ともだち」

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2014年公開のフランス映画。

久しぶり過ぎるほど久しぶりにフランス映画を観たけれど、いやー、フランス映画っていいわー💛

※ネタバレ 以下、映画のストーリーにも触れていますので、これからご覧になる方はご注意ください。】

物語は、7歳の頃、お互いに一目惚れをしたというほど大切な親友ローラを亡くしたクレール、ローラの夫であるダヴィッド、クレールの夫ジルを中心に進んでいく。

ある日、ダヴィッドと亡きローラの家を訪ねたクレール。

鍵が開いていたので声を掛けながら中に入っていくと、リビングにはダヴィッドとローラの子、まだ乳飲み子のリュシーを抱いたブロンドの女性が座っていた。ローラを彷彿とさせるその後ろ姿に思わずはっとなるクレール。しかし、すっと振り向いたブロンドの女は、なんと女装したダヴィッドその人だった。

驚いて頭ん中が「!?!?」なクレールは、「誰にも言わないで」「リュシーを取り上げられる」と言うダヴィッドに曖昧な返事を残してその場を立ち去ってしまうのだが、ここから二人の秘密の交流が始まる。

 

クレールは女装したダヴィッドに「ヴィルジニア」という名をつけた。彼女のオフィスの窓から見えるホテルの名前。ちなみにヴィルジニア=Virginiaの語源はラテン語のVirgor。処女・乙女という意味らしい。

ダヴィッドはクレールに言う。ローラと結婚する以前からときどき女装をしていたこと。結婚を機にその欲望は消えたが、ローラには告白をしたこと。そして、ローラがそれを受け入れてくれたこと。ローラを亡くした後に再び女装が始まったこと。

ダヴィッドは当初、女装欲のある「男性」として自分自身を認識していた。しかし、クレールとの秘密の交流を重ねるうち、「女」という性を自認していく。

 

作中、二人が小旅行に出かけるシーンがある。

大好きなシーンだ。

クレールに比べて荷物の多いヴィルジニアは、たくさんの衣服を持ってきた様子。ちょこちょこと服が変わる。一方のクレールもヴィルジニアとの出会いで少しずつ変わっていく。リップを塗ったり、夫のジルに「珍しいね」と言われるような洒落たワンピースを身に着けたりするようになる。

旅先の二人は、ある晩、ナイトクラブに出掛けた。

クレールが選んだ服は真っ赤なワンピース。ヴィルジニアとショッピングに出かけた際に購入したものだ。迸る若さを感じさせる明るく嫌味のない赤。

クラブには大勢の人がいた。ゲイ、レズビアントランスジェンダードラァグクイーン等々、皆、各々の時間を楽しんでいる。

途中、クラブのスターのショーが始まった。

黒髪の美しいドラァグクイーンが歌う。

「私は女」

「人生には愛とワインがあればいい」

「私は女」

誰もがその歌に引き込まれ、ヴィルジニアは静かに涙を流す。

ヴィルジニアの中の「女」が静かに頷いたようだった。彼女の奥底から染み出し溢れ出る思いがそのまま涙となって頬を伝うような、そんな涙だった。

(ホントにこのシーンが大好き!)

 

自分は予告編を観た後の視聴だったが、ストーリーは予想だにしない方向へ展開していった。斜め上の斜め上をいかれた感じ。

 

個人的に注目したのはダヴィッド=ヴィルジニア役のロマン・デュリスという俳優さん。彼の演技は素晴らしかった。この方以外のヴィルジニアダヴィッドなんて想像できないほど。特にヴィルジニアの心が透けてみえるような繊細な演技には、何度もうるうるしてしまった。

 

さらに忘れてならないのが、ヴィルジニアの「青ひげ」。

予告編で一番気になった点(!笑) 

ロマンさんのヴィルジニアは、仕草も表情も完璧。役作りで減量したそうだが、背も高いし脚も長い。身体も華奢に見え、遠目には完全に女性モデルだ。

しかし、如何せん青ひげが目について仕方がない。これが私を現実に引き戻した。

だが、この青ひげがあるからこそ、作中にある幾つものシーンがただのシーンで終わらなかったのではないかと思う。あのナイトクラブでの涙も然り、クレールに「あなたは女じゃない」と言われた後のシーンで私が涙したのも然り・・・。

 

ヴィルジニアを見ていてあらためて思ったことは、肉体が男と識別されようが女と識別されようが、「私は女よ」という人は女だということだ。それ以外の何物でもない。

そして「女」はなるものだ、ということ。

でも「女」になるのも、続けるのも結構大変なんだよね、ってこと(あらためて 笑) 

だから、「男」になるのもやるのも結構大変なんだろうな、ということ。 

性も職業も社会的ポジションも、、なんだって「何かになる」っていうのは楽じゃないんだ。苦しまずになれるものなんて何一つない。第三者の見方がポジティブであろうとネガティブであろうと。

 

ラストシーンまで気が抜けない、個人的には超・おススメ作品です💛 

 

人生には愛とワインがあればいい。

Author B3

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