火花
これまたようやく読了した又吉さんの火花。
あんまり興味はなかったんだけど、芥川賞取ってものすごい話題になったので、まあ読んでみるか、と。
もともと純文学は苦手なのだ。
読んでると、なんか暗い気分になってくるし、意味をつかみにくいし、共感できないところが多いし……。
それに、B1が「なんかあんまりおもしろくなかった」という感想だったので、読む前から微妙な印象を持っていたというか(謎)。
ま、でも、やっぱり本は自分で読んでみないとわからない。
ということで読んでみた。
結果。
うん、読みやすい。ひとつひとつの言葉をとても丁寧に紡いでいて、さりとて暗い印象はなく、どちらかといえばドライな味わい。ちょっと村上春樹を連想させたかな。
感心したのは、独自の言葉をちゃんと持っていること。
小説を読んでいると、どこかで遭遇したような似通った表現に出会うことが本当に多いんだけど、それがほとんどない。すごくオリジナリティに富んだ文章。それが一番新鮮だったかなあ、自分的には。
ストーリーは平板な感じだったけど、純文学ってこんなもんかな、みたいな。
でも見せ場はちゃんと作ってたよね。これでラストどうもってくのかなと結構どきどきしてたわけだが・・・なんだろう、巨乳って。
え、え、なんで巨乳?
個人的には、これで萎んだ。
言いたいことはわかるんだけど、どこか違う小説からそこだけ切り取って放り込んだ感がある。あくまで個人的な感想だけど。
それまでが良かっただけに、うーん、なんで巨乳???
ここ、選評でも疑問符つけた選考委員がいたけど、同じ感想。
まあ、でも、全体的には面白かった。二作目で真の評価を問われるんだろうけど、着眼点が独特だから、そこそこいいもの書けるのではないだろうか。
少なくとも、又吉さんと同じように初めての小説ですごく大きな賞を取ったのに、その後二冊目の話も聞こえてこず(書いたのかな?話題になってないだけ?)、尻つぼみになってしまったどこぞの某氏のようにはならないだろう。うん。
というわけで、これからもう一人の芥川賞作品を読むアルヨ。
☆オーサーB2