謙さん、と私。
俳優の渡辺謙さんが、ブロードウェーミュージカルの金字塔(←と、あちこちで言ってるけど金字塔と冠される作品ってそこそこあったりするよねw)である『王様と私』に、本場アメリカで挑んでいる。
55歳にしてミュージカル初挑戦!
しかも日本じゃなくてブロードウェー!!!!!
相当なプレッシャーだろうに、敢えて挑戦しようというその姿勢が素晴らしい。
4月から本公演が始まり、現地では「英語が聞き取りにくい」「何言ってるかわからない」という酷評めいたものも出ているようだ。そんな記事を目にするたびにハラハラしていたが、なんとトニー賞の主演男優賞にノミネートされた!(万歳)
もう胸熱で、このニュースを聞いた。
実際の舞台を観たわけじゃないからよくわからないけど、演劇賞の最高峰であるトニー賞だからねえ、話題作りとかじゃなくてやはり謙さんの演技が評価されたということでないかい?
そんな中、昨夜、舞台の稽古から幕開けにかけて謙さんの様子を追ったドキュメンタリー番組が放映された。たまたまチャンネルをあわせていたのが超ラッキーであった。昼間の地震騒ぎで半べそで帰って来たのが少し報われた(謎)。
さて。
謙さんの並々ならぬ努力は本当に賞賛に値するし、どれだけ苦しかろうと挑み続けるその姿勢には見習うべき点が多々ある。彼は別世界の人だから、などと冷めた目で見てはいけない。
確かに別世界の人かも知れないが、我々凡人と同じく人間である。
火星人じゃないし、ゴジラじゃないし、ましてやンケキヨさんでもない。
むろん、個々の価値観はバラバラだし、能力や体力も違うから同じようにはできないが、精神的な面で取り入れたいところ、学びたいところはいくらでもある。
その中で、特に胸を打ったのは、「断崖絶壁であがく」という姿勢であった。
断崖絶壁どころか、15度の斜面でもふがふがもがもがしている自分ではあるが、あがきたいね、何とか……と感じ入った。
・・・というようなありきたりの話はここまで。
実は一番感動したのは別のことだったりする。
舞台のため、アメリカに長期滞在している謙さんだが、奥さん(の南果歩さん)がずっとついているわけではない。では、日々の生活はどうしているのか。
驚くなかれ、なんと自炊しているという。
しかも、毎日ご飯を炊いて、稽古場におにぎりを作って持って行ってるという!!!
毎日だよ!?
握り飯も作るんだよ!?
こっちは週に一度しかご飯炊いてないよ!
もう感動を通り越して驚愕である。
感涙にむせび泣きそうそうになったのは、厳しい稽古を終えて深夜にマッサージを受けたあと、そのまま寝ることなく明日(ってか今日?)のためのご飯を研ぎ始めたときである。
真夜中の1時でっせ!!!
嗚呼、ご飯を週に一度しか炊かないどころか、時にまな板使うのもめんどくさくて空中切り(謎)をしている自分は、一体何なのだろう・・・。
すんませんしたあ!!!
改心するっす!!!
(多分)
トニー賞を受賞するかはわからない。
歌もそんな上手くはないかも知れない。
けど、あの演技と努力だけは本物だ。
頑張れ、謙さん!
☆Author:B2